評価が非常に高いShennheiser MOMENTUM True Wireless2を購入したので、レビュー記事を書いてみました。
梱包物
- イヤホン本体(Bluetooth 5.1対応。リレー伝送方式、ここが残念)
- 充電ケース(USB Type-C充電のみ対応)
- 充電用ケーブル(USB Type-A→Type-Cケーブル)
- 取扱説明書2部(言語が違うだけで、内容は同じ)
となっています。
ファブリック素材の充電ケースが高級感を出していて良いです。
バッテリー持続時間
イヤホン単体で7時間、充電ケースとの併用で28時間です。
イヤホンの充電時間ですが、
- 1.5時間(フルチャージ)
- 10分(1.5時間動作)
となっており、充分な性能が出ている思います。
前作では充電ケース保存中、イヤホンのバッテリーが放電されるという問題があったそうですが、今作ではその問題は改善されているとのこと。
他製品の詳細情報について
公式ページよりご確認下さい。
電波干渉の有無
購入後そのまま装着し、楽曲を流しながら某巨大ターミナル駅構内を歩きましたが、電波干渉による音の途切れや遅延、ノイズ混入はなかったです。
電波干渉の問題は大丈夫じゃないかなと思います。
音質の傾向とマッチしそうな楽曲
当製品、弱ドンシャリとよく言われていますが正にその通りかなと思っています。
リスナー傾向色がよく出ているチューニングがなされています。
低音満載な楽曲は勿論のこと、ボーカルを前面に押し出している楽曲、ピアノやJazzのような楽曲もいい表現をします。
ジャンルを問わず楽しめる音質ですが、好みの音はあるかと思います、ご試聴の上ご確認下さい。
音質評価
音質に関しては表現が難しいので、手持ちの高音質イヤホンの音質と比較しレビューすることにしました。
この方がMOMENTUM True Wireless2の実力が伝わるかなと思ったからです。
- 星5つが比較機と同等かそれ以上の音質という採点
- それ以下は比較機の音質が優れている
という採点になります。
DAPとコーデック
- DAP:iMac(Bluetooth接続)
- コーデック:AAC(AppleMusicの楽曲を再生)
比較機
- イヤホン:Campfire Audio ANDROMEDA(Iceberg Edition、音質は初代ANDROMEDAと同じ)
- ケーブル:BeatAudio Signal(初代、バランス接続)
- Bluetoothレシーバー:RADSONE EarStudio 100
言わずと知れたリスニング系イヤホンの名機です。
※SE846も持ってますが音の傾向が違うので、今回はANDROMEDAで比較です。
評価結果
- 高音の質
BAドライバー機かつ、高音キラキラお化けANDROMEDAの音質には流石に敵いません。
かといって、音質が悪いという事は全くなく、むしろダイナミックドライバー機かつ完全ワイヤレスイヤホンで、ここまでの音質を実現していることに驚きを禁じえませんでした。
BAドライバー機の高解像度イヤホンの音に慣れている方でも満足できる音質だと思います。
- 中音の質
こちらもBAドライバーの方が得意な音域なのでANDROMEDAに軍配ですが、高音と同様に音質が悪いという事は全くなく、むしろ高音質であると言えます。
高音と同じく、BAドライバー機の高解像度イヤホンの音に慣れている方でも満足できる音質だと思います。
- 低音の質
ダイナミックドライバー機かつShennheiserが得意とする音域です、悪い訳がありません。
- 締まった厚みのある音
- アタック感のある音
を鳴らし、ANDROMEDAと比較しても全く遜色なしです。
逆にダイナミックドライバー機に引けを取らない低音を出すANDROMEDAの凄さを改めて認識させられました。
- 音の解像度
高音域の解像度はやはりBAドライバー機に分があります。
具体的には繊細な高音の解像度、表現力は流石に厳しい印象で、この辺りはANDROMEDAに軍配が上がります。
しかしながら解像度が低い事は全くありません。
完全ワイヤレスイヤホンで、ここまでの音の解像度や分解度を実現しているShennheiserの技術力の高さに驚いたくらいです。
なので、星4.5で採点。
- 迫力
こちらもダイナミックドライバー機かつShennheiserが得意する領域です。
ANDROMEDAと比較しても全く遜色ありません。
- 音場
音場(空間表現力)は驚嘆の一言に尽きます。
お世辞抜きでヘッドホン並の音場を再現しています。
比較したANDROMEDA以上でした。
補足情報:搭載ドライバーについて
Shennheiserのハイエンド有線イヤホン「IE 800」に搭載されている独自開発ダイナミックドライバー「SYS7」をベースに当製品向けに再設計したものを搭載しているそうです。
音質の良さに納得しました。
参考情報:PHILEWEB-「MOMENTUM True Wireless 2」レビュー
遮音性とノイズキャンセリング機能について
Shennheiser自身がアナウンスしていますが、音質を損なわないため、ノイズキャンセリング機能(以降ノイキャン機能と表現します)は緩めにチューニングされています。
しかしながら、イヤホン本体の構造が遮音性が高い作りになっているので、緩めのノイキャン性能でも充分な遮音性を実現しています。
強いノイキャンがもたらす、圧迫感、閉塞感が苦手な方でも当製品であれば大丈夫では無いでしょうか?
当製品を装着の上電車に乗り、ノイキャン機能を有効にしたところ、高遮音性イヤホン以上の遮音性は実現出来ていると感じました。
かすかに走行音や車掌アナウンスが聞こえるかな?というレベルを実現しています。
ノイキャン機能が強力なSonyやBOSEのイヤホンを5点満点で採点でするとしたら、当製品は4点といったところです。
あと、当製品のノイキャン機能で特筆すべき点として、ホワイトノイズが無いことが挙げられます。
SonyやBOSEイヤホンでノイキャン機能を有効に上、楽曲の再生停止や音量を小さくするとノイキャン特有のホワイトノイズが聴こえますが、当製品ではホワイトノイズは一切聴こえません。
技術力の高さを感じます。
装着感
装着感は残念です。
Sony WF-1000XM3ほど緩くは無いですが、外れ易い部類には入ります。
ランニングなどの激しい運動には使えません。
歩行や着席時といったシーンに利用が限られます。
個人的にはもう少し、耳孔にハマり込む感触が欲しいところです。
※フィット感の良いAZLA SednaEarfit XELASTECを装着しての感想です。
※AZLA SednaEarfit XELASTECについては別記事でご紹介しているのでご覧下頂けると幸いです。
他良いと思ったところ
操作性
筐体表面をタッチすることで、楽曲の再生や停止、ノイキャンのオン/オフなどの操作が可能です。
タッチ回数(1〜3回と長押し)で個別の操作が行え、左右それぞれ独立しているので計8パターン独立した操作が出来ます。
他の完全ワイヤレスイヤホンはボタン1回押す都度モードが切り替わる感じなので、お望みの操作をクイックに行えます。
また、
- 1タッチすると「ピッ」
- 2タッチすると「ピッポ」
- 3タッチすると「ピッポパ」
と音で知らせてくれるため、タッチミスを認識でき非常に便利です。
タッチ機能がカスタマイズ可能
専用アプリ「Smart Control」でタッチした際の操作をお好みのものにカスタマイズ出来ます。
私は標準設定では使いにくいと思いましたので、下記内容にてカスタマイズしました。
気になったところ
色々曲を聴いていて、一点だけ気になった箇所があります。
音の分解度が良いと音質レビューの項目で評価しましたが、それが仇となった?鳴り方をしていると感じることがありました。
楽曲:マッド・キャップ-Fall For Your Type
曲の50秒台後半から「チッ、チッ」と高音の楽器音が鳴り始めるのですが、分離し過ぎて不自然な表現になり、音の繋がりの悪さを感じました。
今のところ気になった楽曲はこの曲だけですが、高音の分解度については「ん?」と思うところが今後あるかもしれません。
まとめ
各種レビュー動画や記事で高く評価されているだけはあり、音のレベルは非常に高いです。
個人的には完全ワイヤレスイヤホンで、よくここまでの物を作れたなと感心しています。
当記事執筆時2020年に販売されている完全ワイヤレスイヤホンでは、最高クラスの音質だと思います。
値段は高いですが、音質にこだわるのであればご検討頂きたいイヤホンです。
是非ご試聴下さい。