Astell&Kern A&norma SR25というDAPを半年ほど使用したので、このあたりでレビューしてみようと思います。
当記事では音質や気になる点についてのみ言及します。
別記事でMacに接続・認識させる方法をご紹介しているので、これから当DAPをMacで接続される方はご覧頂けると幸いです。
音質
いわゆる高音質音源ではなく、AACやFLACで試聴した感想である点ご承知おき下さい。
また、初めてDAPで試聴されるかたは、最初はワイヤレスと有線接続の違い程度の差しか分からないかもしれません。
何度も聴き比べてようやく違いが分かってくるものだとお考え頂ければと思います。
試聴イヤホン
- Shure SE846(ケーブル:BeatAudio Vermillion初代、バランス接続)
- CampfireAudio ANDROMEDA IcebergEdition(ケーブル:BeatAudio Signal初代、バランス接続)
所感
- ワイヤレスよりは明らかに「音の密度が濃い」
- 解像度や音の傾向はイヤホンの性能に依存、DAPはあまり関与していない印象
- 音場は垂直方向の傾向、水平方向の広がりは感じない
- 音の定位ははっきりしている
- 只々音がクリア、味付けされていない
といった感じです。
音は非常にクリアですが味付けがないため、例えばですが、エントリークラスのイヤホンからハイエンドクラスのイヤホンに変更した時のような、驚きや感動は感じないと思います。
良く言えば素直でクリアな音、悪く言えば面白みがない音なので、DAPに求めるものによっては評価ははっきり分かれるんじゃないかなと思います。
気になる点
5Ghz帯(Wifi5 IEEE 802.11ac)Wifiに対応していない
当機種ですが、2.4Ghz帯のWifiしか対応していません。
自宅のルーターであれば5Ghz帯/2.4Ghz帯双方有効にしているので問題ないのですが、会社のWifiは5Ghz帯しか利用できないため、会社でストリーミング再生をする場合は、iPhoneまたはMacbook Pro経由で通信させるしかなく結構不便です。
Bluetooth機器の大半がMacアドレスで表示される
当機種のBluetoothリストに表示されるデバイス名の大半がBluetoothのMacアドレスとなってます。
MacにBluetooth接続したデバイスであれば、システムレポートからMacアドレスを確認した上で、DAP側で選択することは出来るのですが、不便です。
ただ全てのBllutooth機器がそうではなく、一部論理デバイス名を表示してくれるものもありました。
手持ちのデバイスですと、Shennheiserの
- MOMENTUM True Wireless 2
- MOMENTUM Wireless 3
などは論理名表示されています。
ゲイン切替機能がない
DAPによっては低〜高のゲインの切替機能が個別で用意されていますが、当機種ではこれがありません。
CampfireAudio ANDROMEDAのような感度の高い(低インピーダンス)のイヤホンだと、音量最小にしてもそこそこの音量で音が鳴るので、極小音量で仕事をしながら試聴するといったことができません。
ゲインを下げたい場合は、
- イコライザをオンにする(デフォルトのイコライザ設定でそこそこ音量は下がります)
- イコライザにゲイン調整の項目があるので、そちらで好みのゲイン値にする
などで対応は可能です。
イコライザ設定が細かすぎる
こちらはメリットでもあり、デメリットかなと思うところです。
細かくイコライザを調整することに慣れているコアユーザーや、ミュージシャンの方は細かい粒度で調整出来た方がよいと思いますが、ライトユーザーにとっては帯域の項目数が多すぎて敷居が高いです。
- 簡易設定モード
- ジャンルごとのプリセットを選択出来る機能
といったものがあればいいなと思ってます。
まとめ
非常にクリアな音ではあると感じましたが、金額に見合う驚きや感動は残念ながら感じませんでした。
DAPは¥150,000クラスのものを聴いて初めて違いが分かると言われたことがありますので、このクラスのDAPを機会があれば試聴したいと思います。