Sandal AudioさんのZEN CANのレビュー記事を以前読んだ時に下記文章が目に留まり、T60RPはずっと気になっていたヘッドホンの1つだったのですが、ZEN DACからNEO iDSDにDACアンプを買い替えたことにより駆動力が上がった環境になったので、これを機にT60RPを購入しました。
個人的なオススメはフォステクスT60RPとの組み合わせです。T60RPは3万円台という安さでありながら、他社の何十万円もするようなハイエンド平面駆動型ヘッドホンと互角で健闘するような優れたヘッドホンだと思うのですが、50Ω・92dB(/mW?)でずいぶん音量が取りにくいせいで、購入したものの鳴らしきれず後悔した人も多いかもしれません。
1週間ほど聴き込んだのでレビューしようと思います。
※NEO iDSDのレビュー記事はこちらになります、ご覧頂けると幸いです。
なおT60RPですが、前述の記載通り音量をとるには駆動力が求められます。
据置アンプまたは、駆動力があるポタアンなどがないと鳴らすには難しいヘッドホンである点ご注意下さい。
所有しているDAP:Astell & Kern A&norma SR25に試しに繋いで楽曲再生しましたが、音量を最大にしても音量が全然足りませんでした。
Fostexとは
海外のメーカーと思われがちですが、日本メーカーであるフォスター電機が展開するオーディオブランドです。
調べたところ、ヘッドホンだけではなく、スピーカー全般、特にドライバにおいては歴史のある世界的メーカーで、OEMで多くの一流オーディオメーカーにドライバなどを供給しています。
平面駆動型ヘッドホン「RP」(Regular Phase)シリーズの歴史は古く、1970年代に最初のモデルをリリースしており、平面駆動型ヘッドホンの歴史や技術力、ノウハウは競合各社が真似できない域にあるようです。
音質評価
試聴環境
- DAC:NEO iDSD(MacとUSB接続)
- 音源:AppleMusic
音質評価
音の傾向はリスニング系です。
高音の質
中音の質
低音の質
細やかさ
迫力
音場
音漏れ
Beyerdynamic t5p 2ndのレビュー記事の中で、より良い音のヘッドホンの音聴くまではこのヘッドホンに満足していると書いていますが、あっさりとt5p 2ndを超えるヘッドホンに出会ってしまいました。
t5p 2ndの高音の伸びや美しさは素晴らしいですが、T60RPはそれ以上に綺麗な高音を鳴らしています。
t5p 2ndでは弱いと感じていた低音についてもT60RPでは満足の行く質感・量感が得られていますし、低音の帯域レンジも広いです。
音場や音の定位感、迫力に至ってはt5p 2ndを圧倒的に凌駕しています。
過去視聴した高級ヘッドホン、HD800SやEdition11なども凌駕しており、FinalのD8000あたりと渡り合える音でした。
3万円台のヘッドホンの音というのが信じられないほど本当に素晴らしいです。
T60RPですが、ケーブル片出しヘッドホンには珍しくバランス接続に対応しています。
純正のバランスケーブルを購入し試聴しましたが、音場の向上は圧巻の一言につきますので、バランス接続も是非お試し頂きたいです。
デザインと装着感
デザイン
未塗装のアフリカン・マホガニーを用いたウッドハウジングの木目や色合いが美しいです。
デザインは無骨過ぎて個人的にはう〜んですが、音が素晴らし過ぎるので目をつむります。
装着感
約380gと重めですが、ヘッドバンドのフィット感が良さ、クッション性が高い肉厚のイヤーパッドが負担を軽減しています。
側圧も緩く、着け心地は相当良いと感じています。
半日ほど装着し仕事をしたことがありますが、疲れや痛さはありませんでした。
よく出来ていると思います。
気になる点
デザインが自分好みではなかったくらいです。
まとめ
他社の数十万するようなハイエンドヘッドホンを凌駕、または渡り合える音を鳴らす本当に素晴らしいヘッドホンだと思います。
購入前はt5p 2ndのサブ機として買い足すつもりだったんですが、あまりの音の良さにT60RPがメイン機になってしまいました。
eイヤホンさんで購入したのですが、対応して下さったスタッフさんが「皆んなに知って貰いたい名機」と仰ってました。
本当にその通りだと思いますので、是非ご試聴して頂けたらと思います。
追記
T60RP購入時に同じFostexのフラッグシップ機TH900mk2を試聴しましたが、更に強烈でした。
T60RPを手放すことはないですが、もし私がこれ以上の音を求めるとしたら、TH900mk2かTH909になるのかなと今のところ思っています。
Fostexのヘッドホンとの出会いにより、ヘッドホン沼の終着点が見えてきたかもしれません。